2014年03月18日

奇蹟の一本松

 
 the-pine-of-miracle.jpg

先日、福島県南相馬市鹿島区へ行ってきた。海の近くまで来たのだから、汐風にあたることにした。何もかも無くなってしまった海岸付近に一本の松がある。松の脇に看板があり、それによると「海岸で、たった一本だけ残った奇蹟の松」とあった。

震災前、僕はこの地を訪れたことがない。どんな風景が広がっていたのか・・・。想像するのもむずかしい。松には花束が手向けてあった。悲喜こもごも、この松は見てきたに違いない。

松のうしろ、2〜30メートルも歩けばすぐに堤防だ。頑丈な堤防がご覧のように見るも無惨な姿になっている。

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足が濡れないように瓦礫の上を渡り、辛うじて残った堤防の上に立つ。白い波がテトラポットを繰り返し洗っている。風が強く白波が立っている。上下に激しく揺れる波間にカモメが一羽、平然とした顔で浮かんでいる。その姿は風呂場に浮かべる子供のおもちゃのようにも見えた。

ひときわ激しい波がテトラポットにあたる。その瞬間、目の前が波しぶきで見えなくなる。

 sea-gull.jpg

くだけた波は虹色に輝き、すぐに海に落ちた。カモメは何事もなかったように浮かんでいた。
posted by 生出 at 12:41 | Comment(0) | その他
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