2013年10月17日

Live in TOKYO

 
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地獄のような暑さも身を潜め、ようやく落ち着いた季節になった。と思っていた矢先、昨日は台風が大暴れ。甚大な被害が出てしまった。自然は僕たちがこれまでに経験したことがないリズムを刻んでいる。この先、いったいどうなるのだろう・・・と言い知れぬ不安はぬぐいきれない。

さて、そんな秋の夜長、気持ちを落ち着けるための選曲は重要である。やはりビル・エヴァンスだろうな、と。数あるアルバムの中から選んだのは「Live in TOKYO」だ。音源は73年、東京の五反田で行われたライブである。ビル・エヴァンス(ピアノ)、エディ・ゴメス(ベース)、マーティ・モレル(ドラム)の鉄壁のトリオ演奏だ。

エヴァンスが紡ぐ一音一音が心に沁みてくる(心を濡らすことを沁みるというんだな、と妙なことにも感心してしまう)。気がつくと自分があたかも観客席にいるような錯覚になるのだから不思議だ。演奏に聞き入る観客の静寂さ・・・まるで漆黒の闇の中で、エヴァンスという神が奏でる音から福音を求める迷える子羊のごとくである。どの音も聞き逃すまいと、それこそ唾を飲み込む音さえもはばかれるほどの静寂さだ。この静寂がいっそう演奏を引き立てているのだ。漆黒の闇に射しこんだ一条の光の下で演奏するエヴァンスの姿は、あたかも救世主である。神々しいとはまさにこういうことを云うのだろう。

至福のひとときである。
posted by 生出 at 22:27 | Comment(0) | 音楽
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