2013年08月10日

ブナ、逝く

 
 buna-u.jpg

今日昼間、親しくしていただいている方から連絡が入る。「ブナが倒れています」と。一報をいただいたときは、いまひとつピンと来なかったが、現地へ足を運んで愕然としてしまった。これまで四季を通じて撮影してきた馴染みのブナが檜原湖に身を横たえていた。急な斜面に踏ん張るように根を張っていたのだが、どうやら今夏の大雨のため斜面が地滑りを起こしてしまい、支えを失った大木はそのまま湖へと・・・。
よく見てみると、太い幹は健在だ。そっくりそのままの姿で横になっている。この先、むっくと立ち上がることは・・・ないだろう。枝にはまだ青々とした葉を着けているのが、なんとも痛々しい。きょうまで多くの困難があっただろうが、もはやこれまでだろうか。残念でならない。

最初にこのブナを撮影したのは、記憶もおぼろげだが、昭和63年頃の夏だった。僕の最初の写真集「四季光彩」の18ページにも使った。以来25年のおつきあいで、とうとう今日という日をむかえてしまった。

連絡をいただいたとき、僕は裏磐梯のとあるブナの森の中で撮影をしていた。そして数年前に倒れたことを確認したはずのブナの木が、こつ然と目の前に立ちはだかり、これはいったいどういうことなんだろう?とキツネに摘まれる思いでたたずんでいたのであった。何度も入っている森だから、間違えるはずはない、それに複数の人間で確認したのだから見間違える確率はきわめて低い。しかし実際、倒れていたはずのブナが立っていた。では、倒れたと思ったブナはどうしたのだ?近くに倒木はない・・・。

そこへ、件のブナの木の連絡である。いったい何が何だか・・・。事実は小説よりも奇なりとは云うけれど・・・。
posted by 生出 at 22:14 | Comment(0) | その他
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