2013年06月19日

飛・び・ま・す


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山崎ハコ、衝撃のデビュー作「飛・び・ま・す」。75年のリリース。当時はLPだったので、このアップのジャケ写はかなりのインパクトがあった。友人のsaitoくんと宇都宮の上野楽器店で「ちょっとたくろうに似ているね」なんて話をしたのを覚えているが、ついぞ手にすることはなかった。あのエレックレコードからのデビューだったとは、まったく知らなかった。

ここ数年テレビは視なくなって、かわりにラジオ(NHK第一放送が中心)を聴くことが多くなった。たまに番組に出演したり、曲もかかることから気になっていた。どうせならデビューアルバムをとAmazonで探したらあったので速攻でポチッと押してしまった。

1曲目はGmからはじまる。2曲目はAm、3曲目C#m、4曲目F#m、5曲目E、6曲目Gm、7曲目、8曲目Cm、9曲目C#、10曲目Em、ラストの11曲目がDm7である。全11曲のうちメジャーコードから入るのが2曲しかない。しかしEではじまる5曲目もタイトルが「サヨナラの鐘」である。C#の9曲目はアルバムタイトル曲の「飛びます」。

 「サヨナラの鐘」

 小さな雨が降っている 1人髪を濡らしている
 長い坂の上から 鐘がかすかに聞こえる
 私の心の中の 貴方が消える
 恐かった淋しさが からだを包む

 グッバイ貴方 私、先を越されたわ
 グッバイ貴方 その顔が目に浮かぶわ


 「影が見えない」

 全く普通の女の子には 全く普通の影が守ってる
 たかが15年と笑わないどくれ
 どんな時も お前と生きてきた
 せっけん水のシャボン玉 れんげ畑の靴隠し
 毛糸のあやとり はぎれのリボン
 あの日の私はどこ行った あの日の私はどこ行った
 影が見えない

 
 「飛びます」

 何のために今まで そして今からも
 生きているのか わかったような気がします
 いいんです 報われぬとも 願いは叶わぬとも
 この思いは 本当の私だからです
 今 私は 旅立ちます
 一つの空に向かって 飛びはじめるのです

 この思いのためなら どんなに苦しいことも
 きっと やれるような そんな気がします
 そうです 歌いたくなくても 言葉に出したくなくても
 きっと 歌えるのです 心の中で誰かが歌ってるから
 自分の心に向かって 飛びはじめるのです

当時17歳だったという。いまの17歳と比べるのは意味のないことだが、彼女の達観した世界観は50を過ぎたおっさんもタジタジだ。左側のジャケ写のような表情で見られたら・・・すべてを白状せざるをえない。なにもかも。

暗い曲が多いと云われている山崎ハコ。たしかにコード進行からしてもマイナー調であることは間違いない。でも、単に明るいとか暗いとかで判断はしてはいけない。要は聴く人の心に響くものがあるかどうか・・・ただそれだけで判断すればいいのだ。誰もが少なからず持っている心のマイナーコード。そこに更なる共鳴を与えるのが山崎ハコの唄なのだ。

デビュー当時、中島みゆきと比肩すると云われながらも、残念ながら多くの人に認識されるまでには至らなかった。プロモーションの関係とか業界の都合とか思惑とかいろいろあったことは想像に難くないのだが、希有な才能をメジャーに出来なかったのは誰のせいだ?

昨年アルバム「縁−えにし−」が第54回 輝く!日本レコード大賞「優秀アルバム賞」を受賞したことを知る人も少ないだろう。かく言う僕もその一人だったのだけどね。

さて、時計の針は12時を過ぎてしまったが、もう少し山崎ハコを聴いていよう。
posted by 生出 at 00:23 | Comment(0) | 音楽
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