2013年01月24日

タカダワタル的

 
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高田渡が亡くなる前年の2004年に発表された「タカダワタル的」。高田渡を追ったドキュメンタリー映画のDVDである。監督はタナダユキ。孤高のとか、伝説のとか、人間国宝とか・・・いろいろ形容詞がつけられる高田渡だが、もういないんだぁ〜と思うと、妙にシンミリしてしまう。彼の音楽人生の中で、いちばん注目されたアルバムだったかもしれない。
中津川フォークジャンボリーで「ごあいさつ」を唄う若かりし頃のシーンで始まり、そしてラストも「ごあいさつ」。「よろしく」と「さよなら」のご挨拶を意識してのことか?まさか翌年、鬼籍に入るとは、本人もスタッフも思いもしなかっただろう。

高田渡の存在は、かなり前から知っていたけれど、数枚のアルバムを手にしたのは、彼が亡くなってからだった。福島市内で写真店を開いていたS氏にギターを教えてもらったのがきっかけだった。このDVDを見ると、きまってS氏を思い出すのだ。

S氏は、かつて高田渡を師と仰ぐミュージシャン志望の青年であった。高田渡に惚れ込み、まず住処を探り当てた。次に常連の喫茶店を見つけ、そこの店員になった。その時点で大学を中退。店に来た高田渡に顔を覚えてもらうのに約一年。ようやく声をかけるタイミングを見つけ、恐る恐る声をかける。「じゃあ〜今度遊びにきたら」と。そしてついには高田渡のライブの前に、ステージに立つまでになった。ライブの会場はマンダラ2だったかどうかは聞けなかった。

数年前、S氏は写真店を閉じ、いまは福島市内の家電量販店にいるとか・・・。もう5年以上お会いしていない。

 「ブルース」
 泣くなんて ちいさなこと
 ため息つくなんて つまらないこと
 バイ バイ バイ

 なのに そのふたつの
 大きさを とりかえ とりかえして
 男も女も死んでいく
 ※この曲はDVDには収められていない。

あ〜そうなのか、と妙に実感してしまった。年を重ねると、なんだか肉体が邪魔に思える瞬間がある(笑) 高田渡は、きっと今頃自由に飛び回っているのだろう。そうだ、S氏に会いにいかなければならない。
posted by 生出 at 23:21 | Comment(2) | 音楽
この記事へのコメント
 埼玉で、メーカーの営業をしていた時、行きずまった店舗の閉店を仕切ったことがありました。
 その日、店主は、目を腫らし 黙って商品を梱包していました。
 その時、先輩から、俺たちは愛情を持って店をたたませるんだよ 必要なんだ。
 そう言われました。
 生きていれば、良い時もあれば、悪い時もある、相対的にプラスマイナス0で、いいんじゃねーの、多少の振りの差はあってもね!
 タタミこむようにもう一人の先輩に言われました。
 たいそうなことは言えませんが、今なら、その本当の意味がわかるような気がします。
Posted by momozo at 2013年01月29日 13:12


◇momozoさん、いつもどうもです。閉店時の店長さんのお気持ち、そしてmomozoさんをはじめ、スタッフの方のお気持ち・・・軽々に・・・わかるなどとは云えません。でも、伝わってきます。痛いほど。

様々な困難に直面している方を見るに付け、何とか手を差し伸べたいとの思いが募ります。苦しみの中から灯を見つけるのは、並大抵ではないでしょう。でも進まなければならない。それは自分のため、自分の大切な人のため・・・。灯火を探す一助となればと思っております。
Posted by 生出 at 2013年01月29日 22:04
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