
JAYWALKの「REASON」、95年のリリース。グループ名はJ-WALKまたはJAYWALKと表記されている。オフィシャルサイトによるとJAYWALKとは交通規則を無視して歩く事。物事には囚われず自由に生きる事。また紆余曲折、浮き沈み等々を楽しんでしまう事、とある。
かつては柳ジョージのバックバンドも務めていた。約30年前に聴いたときは、柳ジョージその人と聴き間違えたほど。もちろんいまはそんなことはない。二年ほど前、JAYWALKを取り巻く状況は大きく変わり、メンバーの入れ替えがあった。残念だが中村耕一の声は、もう聴くことが出来なくなってしまった。まさに紆余曲折である。
さて、このアルバムだが、ACCOUSTICを標榜している割には、その印象は薄い。はじめMTVのアンプラグド的な感じかなと期待していたのだが、見事に裏切られた。でも作り手から見れば一方的にそう思い込むリスナーほどやっかいなものはない、と自分を客観的に分析してみる。思い込みや過度な期待が故に本質を見失うことはよくあることで、好き嫌いという感情は捨て去り(なかなか出来ないけど)、感覚を無垢にして対象と対峙すると、見えてくる(聞こえてくる)メッセージがあるのかもしれない。あまり達観したことを言うつもりはないが、偏見ほど怖いものはないわけで、そこからは憎悪とか誤解とか差別とか・・・人のいちばん醜いマイナスの感情しか生まれない。
このアルバムのメイン曲はタイトルREASONと同じ「REASON〜小さな君へ〜」(作詞:知久光康 作曲:中村耕一)
忘れられるのかい? あんなに泣いていたのに
忘れたんじゃない 新しい意味がきっと
君の心を 強く変えてくれた
明日のことなど 気にしなくてもいいんだ
それは小さな 君に俺がしてやれる
素敵な仕事さ 夢を見ておくれ
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なぜ憎まなきゃいけないの
なぜ許しちゃいけないの
きっと誰もがわかっていてほしい
自分がそこに 生きていること
JAYWALK・・・交通規則を無視して歩くこととあるが、その本質は、様々な人の有り様を客観的に見つめ、そこから普遍的なメッセージを紡ぎだしてきた希有なグループだったのかもしれない。新生JAYWALKにも期待している。