
誰が名付けた「恋人坂」。夕日の撮影で、雄国沼まで上がる時間がないときは、ここ恋人坂で撮影をする。雄国沼ほど標高は高くないが喜多方、塩川方面が一望出来る。遠くには飯豊連峰も望める。
さて、この日も恋人坂へひとりで来たが、夕日はいまひとつで、結局撮影は出来なかった。回りを見渡しても他に人はいない。名前のわりに見かけ倒しか・・・。いや、恋人達も陽が高いと来づらいのだろう。
何気なく看板を見ると、けっこうきついことが書いてあった。

「ごみのポイ捨てのように、いつか貴方は恋人もポイと捨てるのですか?」とある。
いまだにそんな不心得者が世にいるとは、なんとも恥ずかしいことではないか!何でもかんでもポイ捨てしちゃ駄目だよ。
この場所は、もう20年以上のお付き合いです。気が付いたら「恋人坂」になっていました。忘れられない光景があります。素晴らしい夕焼けになったときのこと。数名の修道女が夕陽に向かって祈りを捧げていました。こちらは撮影に夢中になっていたので、あとから、あれっ?と思ったのですが、ここは車を利用しないと来るのは難しい場所。周囲に車はありませんでした。そして気が付くと彼女達の姿はありませんでした。きっとどこかに車はあったのでしょうが・・・。もちろん近くに修道院などはなかったはず。でも、とても美しい光景でした。
大切な人を想い涙するのは、ごく自然なことでしょう。抑える必要はないと思います。