2012年08月06日

Study in Brown


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1956年6月26日、雨の降る夜。フィラデルフィアからシカゴへ向かう一台の車があった。ハンドルを握るのはナンシー・パウエル。同乗者はナンシーの夫、リッチー・パウエル(バド・パウエルの弟)とクリフォード・ブラウン。ペンシルバニアにさしかかったとき、車は濡れた路面でスリップし土手に突っ込む。三人とも即死であったという。
クリフォード・ブラウン、享年26歳。天才トランぺッターの生涯は、あまりにもあっけなく幕を閉じてしまった。あのマイルス・ディビスをも凌駕するのでは?と思わせるほどの力量を持ったトランぺッターだった。

3枚目のこのアルバムも5スポット仕込みである。

クリフォード・ブラウン(トランペット)、ハロルド・ランド(テナーサックス)、リッチー・パウエル(ピアノ)、ジョージ・モロウ(ベース)、マックス・ローチ(ドラムス)のクインテット。平均年齢は25歳という若さであった。アグレッシブな、と形容してもいいくらのパワー溢れる演奏である。情熱と、そして才能が炸裂している。荒々しくも聞きやすさを覚えるのは、曲の持つエッセンスを最大限引き出そうとする、彼らの若き創造性が、この上なくシンクロしたからなのだろう。

もしクリフォード・ブラウンが事故で亡くなっていなくても、このアルバムは彼を代表する一枚になっていたことは間違いない。貴方の人生においても、聴いておかなければならない一枚である。

5スポットで聴いたのは、もちろん他にもいろいろあった。でも、いまあの時間を振り返ると、紹介した三枚が真っ先に・・・というか、他を思い出せないくらい印象が強いのである。
posted by 生出 at 23:40 | Comment(0) | 音楽
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