
KISSの「ROCK AND ROLL OVER」76年のリリース。僕が唯一持っているハードロックのアルバム。邦題は「地獄のロックファイヤー」。同級生のyanoくんが「気分がハイになれる」と云って貸してくれた。生来、アコースティックサウンドが好きなので、はじめは単なる雑音にしか聞こえなかった。ハイになるどころか、グゲッとなる始末。お借りした以上、いちおうは感想をyanoくんに伝えなければならないので、無理して繰り返し聴いていた。流すように聴いていたのだが、ラストの「HARD LUCK WOMAN」が次第に引っかかってきた。アコギのイントロと、ピーター・クリスのしゃがれ声が聴くたびに味を増していったのだ。
当初「HARD ROCK WOMAN」かと思っていて、長い間、ハードロックにまつわる女性の曲だと思い込んでいた。がっ!、かなり時間が経ってから歌詞カードを見てみると「HARD LUCK WOMAN(不運な女)」であることを確認した次第。日本人の僕にとってROCKもLUCKも発音は同じにしか聞こえない。まぁ〜曲の内容は、もちろん大切なんだけど、先にメロディラインに耳が行ってしまうのはいたしかたのないことだ。
このアルバムを聴くたびに思い出すのはyanoくんのことだ。警察官になりたいと云っていたまじめなyanoくん。もしかしたら今頃、某県警の幹部になっているかもしれない。ややヒラメ顔で、HARD ROCKとは縁もゆかりもない、おっとりした顔だったなぁ〜。