2012年06月07日

かぐや姫さあど


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かぐや姫のサードアルバム、ずばり「かぐや姫さあど」、73年のリリースである。大ブレークした「神田川」が収められている。恋人との貧しい暮らしを純情的に唄わせたら彼らの右に出るものはない。いわゆる四畳半フォークの代表曲と呼ばれていた(神田川の中では三畳一間であったが・・・)。
日本におけるフォークソングはカレッジフォークからスタートしたと云われている。次に自らの考えを反戦フォークに乗せて唄うことを覚えたものの、あえなく機動隊の催涙弾にバラバラにされてしまう。そんな若者達が新しいステージに選んだのが四畳半だった。君と僕、二人だけの四畳半。世の動きとは無関係でいられる世界。私的な空間こそがすべてだった。

「神田川」に影響されて同棲生活をはじめた恋人達もきっと多かっただろう。しかし厳しい現実の前に二人は四畳半にとどまれなかった。

荒井由美が「四畳半フォーク」を揶揄したのは、このすぐあとのことで、貧しい生活を直接的に表現するのではなく、都会的でパステル調の色彩感溢れる表現は若者の圧倒的な支持を受け、生活習慣にも大きな影響を与えた。もはやフォークは風前の灯。フォークソングからニューミュージックへ時代は変わったのだった。

二人の甘い時間は、より現実的な路線へと変更を余儀なくされた。いま、このアルバムを聴きながら目を閉じると、あの裸電球の、やけに眩しかったことが妙に思い出される・・・そんなおじさん、おばさんが、けっこういるのではないだろうか?
posted by 生出 at 22:39 | Comment(0) | 音楽
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