
70年リリースの「古い船を いま動かせるのは 古い水夫じゃないだろう」を久しぶりに聴いてみた。日本は政治の時代。安保闘争まっさかり。曲間に69年、新宿西口の反戦集会の模様が挟まれている。あの頃・・・若者は熱かった。自分たちの力で古い価値観を崩せる、変えられる・・・そう思っていた。岡林の「友よ」はそれを象徴するメッセージソングであった。
♪夜明けは近い〜、夜明けは近い〜♪
当時の若者も既に還暦を過ぎた。あの場所にいた彼らは当時を振り、どんな思いを抱いているのだろう?
このアルバムで拓郎が注目され、エレックから「イメージの詩」「マークU」がシングル盤で世に出る。以後拓郎はフォーク界の貴公子としてもてはやされる。アルバム「人間なんて」で唄った「どうしてこんなに悲しいんだろう」では、当局との闘いに敗れた(と、敢えて云うけど・・・)虚しさを淡々と綴っている。
♪ 悲しいだろう みんな同じさ 同じ夜を むかえている
風の中を ひとり歩けば 枯れ葉が 肩で囁くよ
これが自由というものかしら 自由になると寂しいのかい
やっとひとりになれたからって 涙が出たんじゃ困るのさ
明日になると いつものように 心を閉ざしている僕さ・・・
「こちらは淀橋警察署。君たちの行為は道路交通法に違反するばかりでなく、東京都公安条例にも違反します。ただちに、この西口の地下道から出ていきなさい。さもないと実力を持って排除しますよ!」
「われわれはぁ〜 日常を解放をするぞぉ〜! 日常を解放するぞぉ〜!!」
シュプレヒコールがコダマした日から40年以上が経った。今日のこの日を予測出来た人間は・・・いなかった。