
小雪のちらつく夕暮れ、久しぶりに「だいじょうぶ」に寄ってみる。「だいじょうぶ」は居酒屋の店名。味も値段も大丈夫。振り返ってみると平成7年からのおつきあいだ。
店に入ると、やや無愛想に「らっしゃい」と、聞こえるかどうかの声で迎えられる。ちなみに主人は、某国立大学卒で、なかなかのインテリ。なぜこの道に入ったのかは不明。
僕の席はカウンターのいちばん奥。そこからの店内はこんな具合。

ここに座るとなぜか思い出す歌がある。
高田渡の『夕暮れ』だ。
夕暮れの街で
僕は見る
自分の場所からはみ出てしまった
多くの人々を
夕暮れのビアホールでひとり
一杯のジョッキを前に
斜めに座る
その目が
この世の誰とも
交わらないところを選ぶ
そうやってたかだか30分か1時間
・
・
・
頭の中でこの曲を再生しながら、描いた映像に僕はひとり酔いはじめる。そしておもむろに生ビールを頼むのである。誰にも邪魔されない自分だけの時間と空間。まぁ〜3杯、4杯と続くと、しっかり主人や居合わせた常連と話が弾んでしまうのだけどね。
まず焼き鳥から注文する。何を焼くかはおまかせ。一本一本丁寧に焼いてくれる。


なるほど、そういうことなんだね。
また近々、いい夕暮れ時にお邪魔します。