2012年02月27日

雅の窓から


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 淹れたての珈琲から、ほのかに湯気がたちのぼる。

 カウンター席に座り、窓から行き交う車や人を、ぼ〜っとしながら眺めるのが好きだ。

 小雪がちらつく寒い日、中年のサラリーマンはコートの襟を立て先を急ぐ。老人は背中を丸め、うつむきながら歩を進める。バス停にたむろする高校生は寒さ知らず。

 バスが到着すると、どっと人が吐き出される。誰もが寒風に身構えて、それぞれの目的地へと向かう。

 その中に見覚えのある後姿を見かけた。窓から見える範囲は限られているから、すぐにそのひとの姿は見えなくなってしまった。

 器に目を戻すと、たちのぼった湯気のせいか、目の前が潤んで見えた。
posted by 生出 at 19:51 | Comment(0) | 馴染みの店
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