先月より開催されている佐藤一旭氏の写真展「記憶。〜震災から10年〜」は、福島市街なか交流館(旧中合)2階で開催されています。会期は3月19日(金)までです。時間は午前10時〜19時まで。
震災から10年を迎え、誰しも、時の経過の無情さに苛まれてきた面はあることだろう。日々、退屈だと思われていたもの、当たり前だった出来事、つまらないと感じていた些細なことさえも、実は「たいせつ」で「愛おしい」ものだった。そこに改めて気付いた瞬間、自然の無慈悲な力に押し潰されてしまった全てのものの声が聞こえてくる。
その声を絶やしてはならない。見る者は一枚一枚の写真から、声なき声を感じ、そして心に刻んでいただきたい。写真は単なる記録ではない。写しとられた瞬間、図らずも消えゆく運命へといざなわれてしまったもの達の声が封印されているのだから。