2017年01月06日

アイレス35VC


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池田満寿夫氏の『模倣と創造:偏見のなかの日本現代美術』からの引用で恐縮だが・・・「すべての創造は模倣から出発する。そして創造が真の意味の創造であるためには、その創造のための模倣が、創造的模倣でなければならない。もっと簡単に説明すれば、芸術家の盗み方に創造の秘訣、あるいは独創性が隠されているのである」・・・ということらしい。

今で言うところのパクリやコピーと模倣は異なる・・・のだろう。で、アイレス35VC(1957年発売)である。一目見てお気づきではあろうが、ライカM3(1954年発売)ととてもよく似ている。それ以前にもバルナックライカやコンタックスを模したカメラが、いくつものメーカーから創られている。このカメラを含め池田氏の云うところの創造の秘訣や独創性があったのかどうかは、敢えて言及しない。まぁ〜小難しい言葉は傍らに置いておいて、アイレスを見てみると、素直に格好いいカメラだなぁ〜と思うわけである。何と言っても元になったM3が秀逸だったからにほかならない。

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フィルム交換はM3と同じように底蓋をはずす。ユーザーにライカっぽさを感じてもらう粋な計らい?さらに裏蓋を開けるという凝った演出?である。

M3との大きな違いはレンズ交換が出来ないところである。この型にはPコーラル45ミリ F2.4付き、Hコーラル45ミリ F1.9付きの二種類があり、いずれもレンズは固定されている。翌年に販売されたアイレス35Vには専用マウントが搭載され、35ミリ、45ミリ、100ミリのレンズが用意されていた。しかし商業的には振るわなかったようだ。

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ある対象に対して、二番煎じと揶揄することは非常に簡単である。しかし重要なのは、そのものが内包しているであろう独創性を見抜けるかどうか、受け手自身が、その力を磨くこと、そのことこそが求められているのではないだろうか。
posted by 生出 at 08:18 | Comment(0) | フィルムカメラ
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