2016年11月24日

ツアイスイコン・スーパーセミイコンタ


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カメラというよりは・・・写真機、それも「寫眞機」と表記した方がしっくりくる、それが1937年(昭和12年)に、独逸はツァイスイコンタ社から出された「スーパーセミイコンタ」である。フィルムサイズはブローニー(2B)で、フォーマットは645のセミ判。ブローニーフィルムはいまでも購入できるから、その気になれば、すぐに撮影現場の最前線でシャッターが切れるわけだ。なにぶん各所の傷みは激しいので、あちこちに不具合は発生するが、そこは眼をつぶればいいだけの話である。 中古カメラとお付き合いするには、寛容な心を持つことが肝要である。

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さてこの冩眞機には、高性能な距離計が付いている。レンズ前玉に連動するギアを回して測距する。ギアの後部には小さな虫眼鏡のようなレンズがあって、このレンズを通った光がボディ側の二つの窓に入り測距する。虫眼鏡に見える部分は、非常に精密なプリズムで、この寫眞機のキモといってもいいだろう(ドレイカイル方式と云うそうな)。見た目は、さもないレンズにしか見えないが、素人が不用意に分解をしようものなら、とんだ火傷をする。時に好奇心は寿命を縮めてしまうことにもつながるので肝に銘じておこう。

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スプリングカメラの王道を行くのが「スーパーイコンタ」シリーズで、写真のセミ判の他、6×6、6×9もあり、各フォーマットで微妙に意匠の異なる機種があったようだ。世界的名機といわれただけあって、各国から亜流がいくつも派生した。しかしながら「スーパーイコンタ」を凌駕する「冩眞機」は、ついぞ出てこなかった。これはレンジファインダーのライカにもいえる。

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冒頭に書いたように、中古カメラの経年劣化はいたし方のないことだ。でもデジタル化された現代においても、十分使えるだけの耐久性を備えていることに驚きを隠せない。職人魂をひしひしと感じるのである。「冩眞機」は一生ものといわれた時代。「スーパーイコンタ」も家一軒ほどの値が付いていた。鷹の目と形容されたテッサー7.5センチは、少々の曇りはあるものの、レンズの畔に立ち、深淵を覗き込むと・・・何か哲学的な真理すら感じる・・・とまで書くと云い過ぎか。
戦前・戦後のツァイスレンズは、シリアルナンバーから正確な製造年がわかる。

posted by 生出 at 22:27 | Comment(0) | フィルムカメラ
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