2016年08月26日

時には昔の話を


 all-that-jazz.jpg

時計の針がまもなく午後11時を指そうとしている。グラスはどのくらい傾けただろうか。毎夜のごとくアルコールが体内にほどよく行きわたり、いい心持になっている時間。かけっぱなしのテレビから、落ち着いたピアノの旋律と、ちょっとハスキーがかった女性ヴォーカルが聞こえてくる。


 時には昔の話をしようか
 通いなれた なじみのあの店
 マロニエの並木が窓辺に見えてた

 コーヒーを一杯で一日
 見えない明日を むやみにさがして
 誰もが希望をたくした
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    ・

毎回、このフレーズでフェードアウト。わずかな時間だけど、繰り返し耳にしていたら、いつの間にか刷り込まれていた。心の襞をなでられたような気持ちになり、いずれ通して聴いてみたいと思っていた。

調べたところ、この曲はAll That Jazzの「ジブリ ジャズ」というアルバムに収められていた。All That JazzはJ−POPをジャズアレンジでカバーするユニットで、ボーカルは「COSMiC HOME」の桑原由里子。どことなく人生のドラマを感じさせてくれる歌詞である。

では、つづきを。

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    ・
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 ゆれていた時代の熱い風にふかれて
 体中で瞬間(とき)を感じた そうだね

 道端で眠ったこともあったね
 どこにも行けない みんなで
 お金はなくても なんとか生きてた
 貧しさが明日を運んだ
 小さな下宿屋にいく人もおしかけ
 朝まで騒いで眠った

 嵐のように毎日が燃えていた
 息がきれるまで走った そうだね

映画「紅の豚」で加藤登紀子が歌った曲でタイトルは「時には昔の話を」。けっこう知られていた曲だった。原曲は加藤登紀子のアルバム「My Story」の2曲目に入っている。桑原由里子の声については賛否あるようだけど僕は気に入っている。でも歌詞そのものは加藤登紀子の方がすぅ〜っと入ってくる。学生運動で揺れたあの時代をリアルに経験した本人だからこそ、なのかもしれない。

 一枚残った写真をごらんよ
 ひげづらの男は君だね
 どこにいるのか今ではわからない
 友達もいく人かいるけど
 あの日のすべてが空しいものだと
 それは誰にも言えない

 今でも同じように見果てぬ夢を描いて
 走りつづけているよね どこかで

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posted by 生出 at 12:38 | Comment(0) | 音楽
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