2016年06月08日

ペンタックスMX


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1950年代のカメラを紹介したあとに、このカメラを見ると、さすがに「洗練されているなぁ〜」という印象を持つ。時代は20年ほど下った1976年に登場したペンタックスMXである。オリンパスOM−1に端を発した小型一眼レフ競争にケリをつけたのがMXだった。いま見ても「小ささ」は特筆すべきものがある。ボディは高さ×幅×奥ともにOM−1よりも0.5ミリのサイズダウンを果たした。たった0.5ミリの差なのだけど、当時の開発者の苦労はいかばかりであったろうか。

スクリューマウント(M42)からバヨネット式マウント(Kマウント)へ変更されたのが1975年だった。変更というよりは新しく追加されたと解釈したほうがいいかもしれない。KマウントのカメラはK2、KM、KXが同時に発表されたものの、需要があったのか、在庫が余っていたのかは不明だがスクリューマウントの ESU、SPUなどはしばらく併売されていた。

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75年に登場したKシリーズカメラは、実に短命であった。K2はペンタックスのフラッグシップ機として、しばし同社のナンバー1に位置していたものの、ほとんど名誉職的な存在であった。翌年にはMシリーズへとバトンタッチされてしまうのである。MXとほぼ同時に発表されたMEはペンタックスの売れ筋として、ME、MEスーパー、ME・Fへと進化をしていった。真のフラッグシップ機は80年に登場するLXまで待たなければならなかった。

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さてMXであるが、機械式シャッターを搭載し、内臓露出計の感光素子はGDP(ガリウムヒ素フォトダイオード)、露出表示はLEDで、当時としてはまずまずの精度を与えられたカメラであったと思う。しかし時代はすでに自動化に突入していた。似たようなデザインで「絞り優先オート専用機」MEにアドバンテージがあったのは、その後のMEの進化を見ても判る。でもMXは発表から約8年ほど存在していたのだ。ペンタックスの国内販売向けとして最後の機械式シャッターカメラがMX(輸出用としてK1000というカメラがあり、こちらは86年〜97年の間、製造された)。自動露出カメラ一色のラインナップにせず、機械式を好む少数のユーザーを大切にするメーカーの「良心」「ココロクバリ」と感じるのは、少々贔屓目だろうか?
posted by 生出 at 07:56 | Comment(0) | フィルムカメラ
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