2016年03月28日

ニコンF


 nikonf-1.jpg

このカメラほど伝説の多いカメラはないだろう。1959年登場の「ニコンF」である。以前もブログに書いたが、日本を世界に冠たる一眼レフ大国へと押し上げた最大の功労者。ライカM3に対抗すべく開発されたニコンSPであったが、やはりライカには太刀打ちできなかった。急遽取り掛かった(らしい)F開発の内情はわからないが、メカニカルに関してはSPと共通する部分も多い。レンジファインダーに比べ豊富なレンズバリエーションと高い耐久性を誇るFのボディは、とくに報道関係者に歓迎され、あっという間に「報道のニコン」のイメージが世に植えつけられた。東京オリンピックで報道席にずらりと並んだニコンFはまさに圧巻であった。

 nikonf-2.jpg

Fは登場以来約15年間の長きにわたり製造が続き、一説によると90万台近く売れたらしい。その間、ボディの意匠は少しずつ変化を遂げ、最終的には写真の「F」になった。

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70年代になると後継機種のF2へバトンタッチされるのだが、数年間はF2と併売された。F2は機能的にもデザイン的にもFの無骨さをソフィストケイトしたわけだが、Fの信頼性、使用感に慣れたカメラマン達にすぐには受け入れられなかったと聞いている。シャッターボタンの位置は人間工学的に見てもF2の方が断然押しやすいのだけど「長年使ったFのために指が曲がってしまった」というのは有名な話である。この話、事実なのかどうかはわからないけど、そのような逸話、実話が山のようにあるのがニコンFというカメラなのである。

 nikonf-4.jpg

直線基調のデザインは見ていて飽きが来ない。いつまでだって見ていられる(笑) すでにフィルムを消費することがなくなってしまったが、歴史的名機を手放す気にはならないのである。
posted by 生出 at 22:27 | Comment(2) | フィルムカメラ
この記事へのコメント
真打登場、横綱かな。
正に日本を代表するカメラなのでしょう。
ただ、書かれているように、シャッターボタンの位置が疑問でした。
それ以外は、素晴らしいものと思います。
Posted by suga at 2016年03月29日 21:10



◇sugaさん、こんばんは。スペックに関してはFを超えるカメラはその後、数多く世に出されました。でもFの魅力に勝るカメラはなかなかありません。不思議なものです。Fは誕生からあと数年で還暦を迎えます。写真を撮る道具としてのカメラはこれからも進歩することでしょう。作品もモノも・・・時の流れに消えることなく存在し続けることの難しさを・・・いま感じています。
Posted by 生出 at 2016年03月30日 23:39
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