2015年09月25日

ミノルタSRT101(黒ボディ)


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SRT101、ミノルタの名機である。発売は1966年(昭和41年)なので前出のファーストロール(1933年)に比べれば、それほどむかしという感じはしない。もちろんつい最近でもないのだが・・・。でも僕がこの世に生を受けてから出たカメラにはどうしても親近感が湧いてしまうのである。同時代を生きている同志のような気がして・・・。そこまで云うとちょっと眉唾かな?

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さてスペックを見てみると実にシンプル。シャッタースピードは1〜1/1000、Bのみで必要十分。測光方式は CLC(Contrast Light Compensator)というもので、二個のCdsで画面の上下を測り、その平均値を割り出すという独自のもの。オート機能ではないが、露出計が示した針の位置がいちおうカメラが計算した適性露出ということになる。風景写真などで、空が明るすぎたときに全体がア ンダー気味になりがちだが、補正した値を示すという、当時としては画期的な測光方式だった(らしい)。晴天時、画面に太陽が入れば+補正をしなければと意識するのだが、以外に落とし穴なのが曇天の時。光が柔らかいので、うっかり空を多めに入れてしまうと人物の顔が真っ黒、なんてこともある。そんなときに SRT101なら重宝したのかもしれない。実際のところ、どの程度の精度だったのかは不明だけど・・・。

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キヤノンFTb、ニコマートFTn同様、SRT101は馴染みの飲み屋でいつも見かける常連のようなものである。つまりは中古市場において常連なのである。数の多さから現役時代、いかに売れたかがわかるというものだ。いま店頭で出会う彼らは露出計が動かなかったり、ファインダー内が汚かったり、そのほか いろいろ動作が挙動不審だったり・・・問題を抱えた固体が多い。彼らの行く末に思いを馳せると、ちょっぴりセンチになってしまう秋の夜なのである。
posted by 生出 at 23:32 | Comment(0) | フィルムカメラ
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