2015年07月31日

ペトリV6


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車でも、オーディオでも、ギターでも・・・そしてカメラでも○○派、あるいは△△党と自他共にそれを認めたり標榜したりすることは間々あることである。どの世界でも二大勢力があるわけで国産車で云えばトヨタと日産、カメラならニコンとキヤノン、アコースティックギターならギブソン、マーチンであろうか。それ以外のメーカーを好きになると、ときに肩身の狭い思いや悔しさを感じることがあるのだけれど、その感情は時として自分の支持するメーカーへの愛(それはときに偏愛と呼ばれる)に変わるのである。それはそれでとても素敵なことだと思う。

しかし悲しいかな、私は○○党ですと言い放つ人もいなければ、愛されることもなく単なる興味本位としての対象にしかならないメーカー、製品もある。それがペトリであると僕は思っている。これまでにペトリをメインのカメラとして使っている人を見たことがないし、話にも聞かない。いまでこそ中古のペトリを購入し、ネット上でお披露目する方もいるわけだが、それにしてもペトリの位置づけは収集したカメラメーカーの中の一メーカーとしてであって、ライブに例えれば、どんなに間違ってもセンターに立つことはないのである。いてもいなくても、どちらでもいい、まぁ〜今日はステージの右端が開いているから、ちょっとそこに立っていてよ、くらいのものである。

ペトリの歴史は古く、創業は1907年(明治40年)というから、もう一世紀以上も前の話である。栗林製作所としてスタートしたものの、1980年代末にはカメラ事業から撤退し、現在は埼玉県北葛飾で双眼鏡の生産を行っているらしい。ペトリという社名はイエス・キリストに従った聖ペテロに由来しているという。輸出を意識していたことがうかがわれる。それとも経営者がクリスチャンだったのか。そこはわからない。

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さてペトリV6であるが、1965年の販売であるからして半世紀前のカメラということになる。ルックスはご覧の通り「もーれつア太郎」に登場した「デコッ八」のようなおでこが特徴。レリーズボタンはセルフタイマーレバーのわずかに空いたスペースに斜めにセッティングされている。当時のカメラ総合カタログを見ていたら、このV6の後継機種V6Uが出ていた。スペック的にはアクセサリーシューがホットシューに変わり、あと巻上げレバーの意匠が変更になったくらいでほぼ同じだと思う。

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紹介文の中に「ヤングマンに圧倒的人気・・・」とあるが、ヤングマンっていったい誰よ?と思わず突っ込んでしまう。自ら「ヤングマンに人気」と云ってしまうところにペトリとの意識のズレを感じるのは僕だけだろか。あ〜ペトリは愛に飢えていたんだって思った。ペトリの愛はけっきょく空回りに終わってしまったんだね。だ、だれかペトリの愛を受け止めてあげて!
posted by 生出 at 06:15 | Comment(5) | フィルムカメラ
この記事へのコメント
この機種ですが、実は先週ヤフオクで手に入れたばかりで撫でまわしています。懐かしいですね、しかしその当時、確かに周囲でこの機種を使っていた人を知りません。設計コンセプトは良く、斜めのシャッターボタンは確かにボディの上下動を抑えることができて、ブレを軽減していると思われます。シャッター幕は横走でソフトに動作し、多くのメーカーが採用したコパル製ではなく、独自設計ではと思われます。この点もブレ防止を意識した設計と思われます。いろいろな点の設計ポリシーがエンジニア魂をくすぐります。
Posted by suga at 2015年07月31日 20:19
ペトリ、持っています。
正確にはクロゼットの中で、ここを読むまで存在も忘れていました。
やたら重かったことだけ覚えています。

父親が若いころ使っていたらしく「持っていけ」と言われしぶしぶ受け取りましたが興味がないので一度も使っていないままでした。

「ヤングマン」に返そうと思います(笑)



Posted by やまめ at 2015年07月31日 22:02


◇sugaさん、こんばんは。ヤフオクで購入されたばかりでしたか。なんというタイミングでしょう。何かお導きがあったのかもしれませんね。ミランダもそうでしたが、この斜めっているシャッターボタン、私にはとても押しやすく感じました。実際撮り続けると、その印象が持続するのかはわかりません。あくまでもファーストインプレッションです。
同社の内状はわかりませんが、当時労働争議があったようで、ゴタゴタの後、組合が経営の主導権を握り起死回生を狙ってMF-1というカメラを出しました。しかし・・・やはり残念な結果となってしまいました。普及率がどうだったのかはわかりませんが、案外想像以上に支持を受けていたのでは?

◇やまめさん、こんばんは。ペトリのカメラに早速、お二人も反応していただいたことに正直驚いています。愛は人知れず育まれていたのでしょうか?愛までいかないまでも、愛に近い形・・・もしかして同情?のようなものがあったのでしょうか?まぁ〜どのような形であれ、ペトリに興味をお持ちの方が、実はかなりいらっしゃることを確信いたしました。もっともっと・・・それこそ1000年くらい時代が下ると、旧約聖書に聖ペテロは、ペトリのカメラを愛用していた、なんて記述があるかもしれません。さすがにそれはないですね。失礼しました。
Posted by 生出 at 2015年07月31日 22:59
生出さま、はじめまして。

ペトリ倒産から30有余年、今さらながらに“ペトリの愛を受け止め”ようとしている2chで知り合った仲間達が作った、こんなサイトに出入りしています。ペトリV6の形態分類表もあります。ご興味ありましたらぜひ覗いてみてください。

petri@ウィキ
http://www52.atwiki.jp/petri/



Posted by いつかはペトリ at 2015年09月09日 23:45



◇いつかはペトリさん、こんばんは。書き込みいただきましてありがとうございました。ご紹介いただいたサイト拝見いたしました。驚きです。これほどまでにペトリの情報をよく集められたものです。まだ全てを見るまでには至っておりません。そのすさまじいほどのデータ量・・・頭が下がる思いです。私などせいぜいむかしのカメラショーのカタログで仕入れた情報くらいしかありません。私にはペトリを語る資格はないのです。
これほどまでにペトリに情熱、愛情を注がれている方がいらっしゃることを知っただけでも、V6を紹介した甲斐がありました。つい最近、貴サイトでも紹介されているファースト・ロールに接する機会がありました。これも何かのお導きでしょう。いずれ拙ブログで紹介をしようと思っています。
Posted by おいで at 2015年09月10日 22:35
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