2015年02月13日

燃えつきる〜ラストライブ


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1975年4月13日、雨の日比谷野外音楽堂、キャロルのラストライブ。 バンドとして人気、実力ともに絶頂期での解散ライブ。いまだに伝説として語り継がれているライブ。

キャロルは矢沢永吉(ベース・ボーカル)、ジョニー大倉(サイ ドギター・ボーカル)、内海利勝(リードギター・ボーカル)、ユウ岡崎(ドラムス)の四人がメンバーであった。一時期ドラムスでメンバーの入れ替 えがあったが、基本、この四人で突っ走った。

キャロルは1972年に結成されたロックバンドで、当初はビートルズのコピーバンドとしてスタートしたという。革ジャンにリーゼントというスタイルも、初期ビートルズを意識したといわれている。

75年当時、僕はキャロルの存在を知らなかった。「ファンキーモンキーベイビー」くらいは、聴いたことがあったかもしれないが、それはたまたまラジオから流れていたのを耳にしたというレベルの話である。それから少し経った高校3年の夏、写真部の合宿のとき「先輩、これ聴いてみてください」と後輩から手渡されたのが、このアルバムだった。60分カセットテープには、ダイジェスト版のように編集されてはいたが、ブチッ!ブチッ!と曲間がブツ切りにされていたし、オーディエンスの叫び声やらなんやらで騒然とした雰囲気、そして大音響でロッケンロールをぶちまけるスタイルは、ただウルサイとしか感じなかった。というわけで第一印象は・・・もう聴かなくていいかな・・・であった。

ただ、その中でひとつだけ気になった曲があった。それが「夏の終わり」だ。

 君と二人で歩いた 浜辺の思い出
 あの時二人で語った 浜辺の思い出
 ああ もう二度と恋などしない
 誰にも告げず ただ波の音だけ
 さみしく聞こえる

 君と二人で歩いた 浜辺の思い出
 なにも云わずに口づけを かわした浜辺

刻むようなドラムのリズムに乗せてアコギのコード弾きがはじまる。そしてエレキのリフがおもむろに走る、そんなシンプルなスタイルは「カッコいいな」と思った。さっそくモーリスのW30でリフを耳コピーした。繰り返し繰り返し聞いて何とか会得したものの、所詮は猿真似だったし、エレキに比べてネックの短いアコギでは限界があった。ハイフレット側の音は、適当に自分で合う音を探し良しとした。つまりはいい加減ということである。

時は流れ、今年の正月になぜか「夏の終わり」が聴きたくなった。それでネットで探してみたら、すぐに見つかった。発売されたときは2枚組みレコードだったことも初めて知った。最初から最後まで通しで聴くのはもちろん初めて。いまになって「いいじゃん」と感じるのは、いささか遅きに失したわけだが、シンプルなオールディズ風ロッケンロールに体が素直に反応する。(好みはあるだろうが)いい音楽って耳にした瞬間、無条件に体が反応するものなのだなと思ったのだった。

このライブを最後にキャロルは解散するのだが、ラストテイクにはステージの電飾が火災を起こし、消防車のサイレンの音が鳴り響く。キャロルというバンドを象徴するような事件だ。キャロルはまさに燃えつきたのだった。
posted by 生出 at 12:43 | Comment(0) | 音楽
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