深夜のこと。ふとむかしむかし僕が小学校2年の頃、山梨県都留市立谷村第一小学校の図書館で見た本を思い出した。それがこの「恐竜の世界」(福音館書店)だった。
どうしてももういちど手にしたいとの思いが募り、ネットで探して購入した。
実に半世紀ぶりの再会であった。表裏の表紙、そして本編はすべて鉛筆で描かれたと思われるイラストがあふれている。この質感はたまらない。
当時の僕は、恐竜の絵を描くことに興味があり、その参考のために図書館で借りてきた記憶が微かにある。なので文字はほとんど読んでいなかった。小学生の低学年用ということだろうか、漢字には全てルビがふってある。
さて、いまや恐竜が滅んだ大きな理由が、巨大隕石の地球への衝突が定説だが、この本では、それに触れていない。ということは当時は、まだ知られていなかったことなのだろう。
本書では人間の時代がいつまで続くだろうか?という言葉で締めくくっている。様々な危機が人類を襲っている昨今だが、考えてみると、その原因を作ったのは人間だ。これから先、ずっとずっと時代が下り、人類が滅びたあと「人類はおろかな生き物だった」と、次に地球を支配する生き物に評されることのないよう、ただただ祈るのみだ。