川俣町の旧国道114号線を走り警察署を少し過ぎたところのT字路に、まるで隠れるかのように存在していた「月美食堂」。なんとも風流な屋号である。
旧国道は20年以上前から走っていたのだけど、この食堂の存在に気がついたのが、つい二週間ほど前だった。建物はかなり古い。周囲の環境と同化していて、まったく目立たない。
店内はご覧のとおり。テーブル席の奥に座敷もある。かなりタイトな空間である。写真には写っていないが、ストーブの隣りには小さな冷蔵庫があり、その中に瓶ビールが入っている。常連客とおぼしき男性が店に入るなり冷蔵庫を開け勝手に飲んでいた。
こちらがメニューで、いかにも町の食堂と云う感じである。ガラスの向こうが厨房で、高齢の女性二人がてきぱきと注文をこなしていた。二人が姉妹なのか、他人なのかは不明。
カツ丼、750円。やや柔らかめのご飯、カツはしっかり煮込んである。なので衣はしっとり。
野菜炒め定食も750円。やや塩っぱかった。量はちょうどいい感じ。
タンメン、500円。美味である。ゴマ油の風味がいい感じ。野菜もたっぷりでコスパは抜群だ。
チャーシューメンは550円。こちらもコスパが高い。昔ながらのチャーシューがたまらない。
店を出る際、ちょっとお店のことを訊いてみた。この地で開業して半世紀なのだと云う。出前はむかしからやっているそうだが、近年は近間だけに限っているとのこと。店の前のバイク(スーパーカブ)が出前の足。
もう少し前に知っていれば、訪れる回数も増えたことだろう。残念ながら来年3月いっぱいで店を閉める決心をしたと云っていた。なんとももったいない。