知人のM氏所有のGibson J-50ADJである。それもヴィンテージもの。名器J-45ともども1947年に生まれ、様々な音楽シーンを支えてきた歴史あるギターだ。最近、この年代のJ-45、J-50が復刻され新品で手に入るようになった。M氏のギターは68年頃の製造だとのこと。半世紀近くの時間を経て塗装にはウエザーチェックが入り、その様はまるで陶器の貫入にすら見える。渋味のある風体である。
丸みのあるラウンドショルダーは、DOVE、Hummingbirdのスクエアショルダーよりもボディ容量は小さいものの、力強く広がりのある音を奏でる。年数が経てば、それぞれ置かれた環境によって音質に個性が出るのは当然であるが、M氏のきっちりとした管理下にあるこのJ-50は即戦力としてステージに立つことが出来る(僕は立ちません・・・笑)。
お馴染みのGibsonのヘッドにもウエザーチェックが入っている。ネックは40ミリのナロー仕様。エレキを弾く人には違和感はないだろう。アコギしか弾かない僕にとっては狭く感じるが、これも慣れればどうってことはない。フレットはかなり太い。弾いていて太さを感じることはない。
J-50ADJのいちばんの特徴がこのAdjustable saddleである。プレーヤーが弦高を自ら好みの高さに調整出来るところにある。独特のジャキジャキ感はノーマルサドルでは味わえない。
J-45と50のスペックはほぼ同じ。しかし当時J-45より高く売られていたのはJ-50のトップ材の方が良質だったためと云われている。サンバーストに塗装されたJ-45よりもナチュラルフィニッシュで杢目が顕著に現れるためより良質な材が使われた。
サウンドホールをのぞくと、機種名がそっけなく烙印されている。これもまた味ですなぁ〜。話は変わるが一枚目の写真でモニタに映っているのは「高橋優」である。彼もGibson使いなのであった。