「シンプルニコン」のキャッチフレーズを標榜し登場したのが初代「ニコンFE」であった。1978年のことだ。ニッコールレンズがAi化されたのが前年の1977年。そのときニコマートEL(ELW)がニコンEL2になりAiレンズ対応となった。短命で終わったEL2であるが、FEの受光素子、露出制御などはEL2が元になっていた。FEの大きさ、シルエットは77年に発表されたFMと似ていて、一般の人には見た目には区別は出来なかっただろう。
時はAi化直後であるから、圧倒的多数を非Aiレンズが占めていた。そのためFM、FEともにマウント外側にあるAiレンズ用の露出連動レバーを引き 上げて非Aiレンズを装着できるようになっていた。しかし非Aiレンズ装着時は絞り込み測光だったので使い勝手はいまいち。そういえば当時、Ai対応ボ ディを購入し、保証書を提示すれば旧レンズ一本を無料でAi化するサービスがあったように記憶している。
FE2、FM2では、このレバーが固定されてしまった。ずいぶんあとになって手元にあったニューFM2を引き上げ式に改造できるかとニコンに訊いたら 「承っておりません」と云われた。改造したところで、僕は非Aiレンズを持っていなかったので、まったく無意味な改造なのだけどね。ちょっとした部分のカスタマイズで、人とは違う個体を持っているという「優越感」に浸りたかった、ただそれだけのこと。
FE2、FM2では、このレバーが固定されてしまった。ずいぶんあとになって手元にあったニューFM2を引き上げ式に改造できるかとニコンに訊いたら 「承っておりません」と云われた。改造したところで、僕は非Aiレンズを持っていなかったので、まったく無意味な改造なのだけどね。ちょっとした部分のカスタマイズで、人とは違う個体を持っているという「優越感」に浸りたかった、ただそれだけのこと。
FEが登場してから、すでに36年が経過した。ごくたまに行く家電量販店には各社のデジカメが並んでいる。そのことに何の違和感も持たなくなってしまったが、そのむかし、カメラはカメラ屋さんで買うのが当たり前だったことを、妙に懐かしく思い出すのだった。