
1980年11月15日にリリースされたジョン・レノン&オノ・ヨーコの「Double Fantasy」、ジョンの遺作となったアルバム。同年12月8日、ジョンは自宅「ダコタハウス」前で射殺された。40歳だった。
ジョン・レノン暗殺を知ったあの日のことは忘れられない。京王線「下高井戸」駅近くの古本屋の店頭。何か面白い本はないかなと物色していたときだった。冬晴れの光が眩しいくらい射しこむ午後、店主は食い入るようにテレビから視線を離さない。ビートルズの曲が繰り返し流れている。「ビートルズの特集でもやっているんだ」くらいしか思っていなかった。こんな時間に珍しいなと思った瞬間、ジョン・レノン暗殺の言葉が突き刺さった。
ある事実を知る前と、知ってしまった後では、見える世界がこうも違うものかと実感したのも、このときが初めてだったかもしれない。当時、すでに伝説的な存在だったビートルズのメンバーが、自分と同じ時代に生きている意味は大きかった。
見上げる空に月が浮かんでいる。もしかしたらジョンも、どこかであの月を見ているかもしれない・・・そんなことをイメージするだけでもわくわくしてしまう。偉大なアーティストと自分の人生の時間が重なっているなんて、とても素敵なことだ。
いま、昇る月を見ても、それはかつてジョンが見た月である。僕と月の距離は変わらないが、遠くへ行ってしまったジョンとの距離は測り知れない。この差は大きい。
(JUST LIKE)STARTING OVER
Our Life together is so precious together
共に分けあう二人の人生はとても尊い
We have grown we have grown
僕たちは共に成長した
Although our love is still special
二人の愛は今でも特別なものだけど
Let's take a chance and fly away somewhere alone
あえて冒険してみないか それぞれ新たな空へ飛び立つんだ
it's been too long since we took the time
二人が別れてから ずいぶん月日が経った
No-one's to blame I know time flies so quickly
もちろん誰のせいでもないさ 時は矢のように過ぎて行くのだから
But when I see you darling
いまきみと再会して
it's like we both are falling in love again
もう一度 恋に落ちるような気がする
it'll be just like starting over - starting over
まるで生まれ変わったような気分だ
Why don't we take off alone
一人きりで旅に出てみようよ
Take a trip somewhere far, far away
どこか遠い見知らぬ国へ
We'll be together on our own again
またいつか僕らは一緒になれる
Like we used to in the early days
昔のように とても新鮮な気持ちでね
Well,well,well darling
そう そうなのさ ダーリン
もうすぐ12月8日がやってくる。あれから33年という時間が流れた。