
宮森さんは川柳をたしなむ粋な面ももっていらっしゃる。この句は10月27日(日)の福島民報新聞に掲載された宮森さんの作品である。
夕暮れに太鼓の音色聞くひとり
日々の疲れに、いつの間にかうとうとしてしまった。近くの神社から聞こえてくる太鼓の音に揺り動かされる。夢うつつに目を覚まし、窓越しから見える空に茜雲が浮かんでいる。
子供の頃、うきうきした気分で祭りに行ったことを思い出していた。
自宅で聞いていた太鼓の音は神社が近くなるにつれ大きくなる。角を曲がり鳥居の下に立つと、両脇に並んだ露店の明るく鮮やかな色彩が目に飛び込んでくる。太鼓が腹に響く。握りしめた小遣いはわずかだから下手なものは買えない。あれもこれも、ほしいものはたくさんある。その中から何を選ぼうか・・・。背伸びをしながら露店をのぞきこむ。
気持ちは遠い日と今とを行ったり来たり。起き上がって窓を開けると夕方のひんやりした空気が部屋に入る。太鼓の音がほんの少し近く聞こえた。
こんな情景を歌ったのかどうかはわからない。これはあくまでも僕の想像。
俳句にせよ川柳にせよ、わずかな文字数で人の感性を刺激する世界を創造出来るのはうらやましいかぎりである。

創作意欲みなぎる風流な写真店店主、宮森さんの勇姿である。次の作品も楽しみにしていますよ。