
前回のブログで植物の名前を調べていたら、反射的にイルカの「植物誌」を思い出していた。早速CDの山の中から発掘し、久しぶりに聴いてみた。77年のリリースでイルカ、4枚目のアルバム。74年にイルカとしてソロデビューしたが、それ以前は「シュリークス」というグループのメンバーだった。イルカがまだ無名だった頃、僕は宇都宮の上野楽器店の店頭で、デビューキャンペーンをしていたイルカを目撃している。横目でチラ見した程度で素通りしてしまった。今思えば握手くらいしておけばよかったと後悔するのだが、こればかりは仕方ない。
翌75年にあの曲、そう「なごり雪」が大ヒットしたのだった。
植物誌
通りすがりの古本屋
ほこりかぶった「植物誌」
棚からそっとゆりおこし
歩きながら ページをめくる
いつしか足は下屋敷
裏木戸開ける 霜風に
襟を立てる アストラカン
元気なテリアは 枯れ葉色
さて眼を染めるのは 植物誌
つゆくさ 柊 からすむぎ
益子の茶碗の玄米茶
ランプの影の一輪草
まぶたが重い眠り草
人界知らず植物屋敷
秘密の花園 カギひとつ
わずかこれだけの行数の歌詞だが、しっかり五感が刺激されている。この曲を聴いた人間がイメージする世界は微妙に違うかもしれないが、きっとそれほどの差はないのでは?と思っている。イルカの豊かな感性から創られた曲。少しずつキナ臭い空気が流れはじめたいま、平和で自由な世界を維持し続けることの難しさに思いを馳せながらも、さらなる創造性豊かな世界・・・つまりは平和な世界を実現するにはどうしたらいいのだろうか?自分は何をすべきなのか?様々なことを考えさせられる夜なのであった。