
誰もが生きている間に聴いておかなければならないアルバムが何枚かある、と僕は思っている。その中の一枚がTHE BLUE HEARTSのデビューアルバムの「THE BLUE HEARTS」だ。87年にリリースされた。いささか押し売りになってしまうかもしれないが・・・そうなのである、押し売っているのである。理由はない、ただ聴け!と。
ここ数日、何度聴いただろう。全曲聴き終わったらすぐに一曲目から聴き直すのである。はっきり言って演奏は粗野である。単純である。一聴して美しいメロディラインは皆無だ。嫌悪感を覚えるひとが大多数だろう。しかし彼らのメッセージは、他のどんな有名なミュージシャンよりも強く心に届く、響く。本心を、本音を、オブラートで包み隠すことが得意で且つ常識的で立派な、と自分で思い込んでいる大人はぜひ聴いてほしいな。1曲目の「未来は僕等の手の中」から「リンダ リンダ」まで全12曲。捨て曲は無し。
「未来は僕等の手の中」
月が空にはりついてら 銀紙の星が揺れてら
誰もがポケットの中に孤独を隠し持っている
あまりにも突然に 昨日は砕けていく
それならば今ここで 僕等何かを始めよう
生きていることが大好きで 意味もなくコーフンしている
一度にすべてを望んで マッハ50で駆け抜ける
くだらない世の中だ ションベンかけてやろう
うちのめされる前に 僕等うちのめしてやろう
「少年の詩」
パパ、ママおはようございます 今日は何から始めよう
テーブルの上のミルクこぼしたら ママの声が聞こえてくるかな
1、2、3、4、5つ数えて バスケットシューズが履けたよ
ドアを開けても 何も見つからない
そこから遠くを 見つめているだけじゃ
別にグレている訳じゃないんだ ただこのままじゃいけないってことに
気づいただけさ
そしてナイフをもって立ってた
僕やっぱり勇気が足りない I LOVE YOUが言えない
言葉はいつでもクソッタレだけど 僕だってちゃんと考えているんだ
どうにもならないことなんて どうにでもなっていいこと
先生達は僕を 不安にするけど
それほど大切な言葉はなかった
誰のことも恨んじゃいないよ ただ大人達にほめられるような
馬鹿にはなりたくない
そしてナイフを持って立ってた
「世界のまん中」
朝の光が 待てなくて
眠れない夜もあった
朝の光が 待てなくて
間違ったこともやった
ボクの生まれたところが世界の片隅なのか
誰の上にだって お日様は昇るんだ
うまくいかない時
死にたい時もある
世界のまん中で生きていくためには
生きるということに 命をかけてみたい
歴史が始まる前
人はケダモノだった
けっして褒められるような、誰にでもお勧め出来る内容ではない。少しでも彼らの楽曲に共鳴出来たのなら、きっとあなたは素敵な人だ。